事務職からタクシードライバーに転職するのはアリ?

事務職として働くなかで、「このままでいいのかな」「他の働き方も試してみたい」と感じたことはありませんか?長時間のデスクワーク、ルーティン化した毎日、思うように伸びない収入、人間関係のストレス――。日々の小さな不満が積み重なり、転職を考えはじめる方も少なくありません。

そんな方に、ひとつの選択肢としてご紹介したいのが タクシードライバー という働き方です。この記事では、事務職からの転職を考えている方に向けて、タクシー業界の魅力や、未経験からでもスタートしやすい理由をお伝えします。

事務職をやめたくなる主な理由

頑張っても給料が上がりにくい

事務職では、年功序列や一律の昇給制度が根強く残っている職場も多く、どれだけ努力しても給与に反映されにくいと感じることがあります。

「毎年の昇給がわずか」「成果を出しても評価されない」といった不満が、モチベーションの低下につながることも。将来の生活を見据えたとき、「今の収入で大丈夫かな」と不安を覚える瞬間があるかもしれません。

毎日が同じことの繰り返しで退屈

書類作成やデータ入力、電話応対など、日々の業務がある程度パターン化されているのも事務職の特徴です。ふと気がつけば「昨日と同じことを今日もやっているだけ」と感じてしまうことも。

とくに、新しいことに挑戦したい・スキルを伸ばしたいという思いがある方にとっては、変化や刺激の少なさに物足りなさを感じやすいでしょう。

眼精疲労や肩こりがつらい

長時間パソコンに向かう作業が続くと、どうしても目や肩に負担がかかってしまいます。「夕方になると目がショボショボする」「肩がガチガチにこって頭痛まで…」といった不調に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

とくに事務職は、ほぼ1日中デスクに座りっぱなしという働き方が一般的で、知らず知らずのうちに体に疲れがたまっていきます。慢性的な疲労感が蓄積すると、仕事のパフォーマンスにも影響が出てしまうこともあります。

人間関係のストレスが大きい

オフィスでの仕事は、上司や同僚とのコミュニケーションが欠かせません。同じ空間で長時間を過ごし、チームで動くことが多いため、ちょっとした言動が気になってしまうこともあります。

とくに職場の雰囲気や価値観が自分に合わない場合は、それだけで出勤が憂うつに感じられてしまうことも…。実際、「仕事内容よりも人間関係で疲れている」と感じている方は少なくありません。

残業が多く、繁忙期は休みにくい

普段は定時で帰れても、月末や決算期などになると残業が続くことも。「今日もこんな時間まで…」と、夜遅くまでパソコンに向かう日々に疲れを感じている方も多いのではないでしょうか。

さらに、繁忙期には有給休暇が取りづらかったり、休日出勤を求められることもあり、せっかくの休みも十分にリフレッシュできないまま終わってしまうこともあります。

タクシードライバーへの転職で感じやすいメリット

頑張ったぶんだけ収入につながる

タクシードライバーの給与体系は、一般的に「固定給+歩合給」が基本です。つまり、自分の頑張りや工夫が、そのまま毎月の収入に反映されます。

事務職では「いくら頑張っても給与はあまり変わらない」と感じていた方も、成果が数字として返ってくる環境にやりがいや達成感を見いだせるはずです。

また、未経験者向けに給与保証制度を整えている会社も多く、一定期間は安定した収入が確保されているため、初めての業界でも安心してスタートできます。

勤務スタイルの自由度が高い

毎日決まった時間に出社・退勤する生活に窮屈さを感じていた方には、タクシー業界の自由度の高さが魅力的に映るかもしれません。

タクシードライバーの勤務体系には「昼勤」「夜勤」「隔日勤務」など複数の選択肢があり、自分に合った働き方を選ぶことができます。たとえば隔日勤務では、1回の勤務時間は長いものの、明け休みがしっかり取れるため、自由時間が多くなるのも特徴です。

「しっかり働いて、しっかり休む」サイクルをつくりやすく、家族との時間や趣味の時間も大切にしたい方に向いている働き方です。

人間関係のストレスが少ない

オフィスワークでは、上司や同僚との関係性に気をつかう場面が多く、日常的に疲れてしまうこともあります。その点、タクシードライバーは基本的にひとりで完結する仕事なので、無理に人間関係を築いたり、空気を読んだりする必要がほとんどありません。

営業所には同僚や管理者がいるものの、適度な距離感で関われる職場も多く、人づきあいにストレスを感じやすい方にとっては、ぐっと気が楽になる働き方です。

自分のペースで仕事ができる

「今日はどこを走ろうか」「どこでお客様を待とうか」――。タクシードライバーは、自分の判断で動ける自由度の高い仕事です。会社から細かい指示を受けることが少ないため、自分なりのスタイルで働けるのが魅力です。

その日の状況や気分に応じて行動を変えられるため、仕事が単調になりにくく、毎日に変化があるのも特徴。事務職で「同じ作業の繰り返しに飽きてしまった」と感じていた方にとっては、新鮮さや楽しさを感じられる仕事といえるでしょう。

タクシー業界は未経験からでも始められる?

「ちょっと興味はあるけれど、これまで運転を仕事にしたことがない…」そんな不安を感じている方もいるかもしれません。でも実は、タクシードライバーとして働きはじめる人の多くが未経験スタートです。

二種免許は入社後に取得できる

タクシードライバーになるには「普通二種免許(=旅客運送ができる免許)」が必要ですが、多くのタクシー会社では入社後の取得を前提としています。

教習所の費用を全額会社が負担してくれる制度もあり、スケジュールも会社が組んでくれるため、負担なく免許を取得することができます。運転にブランクがなければ、特別な準備や経験は不要です。

地理や接客は研修でしっかり学べる

「道を覚えるのが不安」「接客なんてできるかな」――そんな心配も、未経験向けの研修制度があるので大丈夫です。タクシー会社では、数週間の研修期間を設けており、地理の基本、ナビの使い方、接客マナーまで丁寧に教えてもらえます。

また、研修期間中にも給与が支給される会社が多いため、収入面の不安を感じることなく、しっかり準備してスタートできます。

タクシーは異業種からの転職者が多い業界

実際にタクシー業界に転職してくる方は、事務職はもちろん、営業、飲食、製造業など、さまざまな職種の出身者がいます。30代〜50代からの転職も多く、年齢や職歴にとらわれず挑戦しやすい業界です。

「運転が好き」「もっと自由に働きたい」「もっと収入を増やしたい」「長く働ける仕事がしたい」といった理由で、未経験からスタートし、長く活躍している方もたくさんいます。同じようにゼロから始めた先輩たちが多くいるからこそ、不安を感じずに一歩を踏み出せる環境が整っているのです。

事務職からタクシーへの転職に向いている人

タクシードライバーという仕事は、誰にでも無条件に合うわけではありません。けれど、「自分のペースで働きたい」「人との距離感を心地よく保ちたい」といった価値観を持っている方にとっては、非常にフィットしやすい職業です。

自分で考えて動くのが好きな人

タクシーの仕事は、自分で判断して動く場面が多く、「今日はどのルートを走ろうか」「この時間帯はどこにお客様がいそうか」といった小さな選択の積み重ねです。

人から細かく指示されるよりも、「自分で計画を立てて行動したい」「工夫して結果を出すのが好き」という方にとっては、大きなやりがいを感じられる環境でしょう。

デスクワークより“外に出る仕事”がしたい人

「ずっとパソコンに向かっていると、体も心も疲れてしまう…」そんな思いを抱えていた方には、タクシーという仕事のスタイルが新鮮に映るかもしれません。

運転して街を走り回る日々は、座りっぱなしの生活からの脱却にもなりますし、車窓から見える風景の変化がちょっとした気分転換にもなります。「仕事中に外の空気を感じられるだけで全然違う」と話す人も多く、閉塞感を感じていた方には特におすすめです。

接客や人とのやりとりに抵抗がない人

タクシーは“運転の仕事”であると同時に“接客の仕事”でもあります。お客様とのちょっとした会話や、降車時に「ありがとう」と言ってもらえる瞬間に、やりがいを感じられる方も多いです。

事務職で来客応対や電話対応を経験していた方なら、そのスキルをそのまま活かせる場面も多く、未経験でも接客に前向きな気持ちがあれば十分に適応できるでしょう。

ワークライフバランスを大切にしたい人

勤務スタイルに柔軟性のあるタクシー業界では、会社によっては週の勤務日数を調整できる、休みの希望が通りやすいといった働き方も可能です。

「プライベートの時間をもっと大切にしたい」「自分の生活リズムを崩さずに働きたい」といった希望がある方には、タクシー業界の自由度の高さが大きな魅力になるでしょう。

まとめ

事務職として働くなかで、「今のままでいいのかな」と感じることがある方には、タクシードライバーという選択肢もあります。

未経験からでもスタートできる制度が整っており、勤務時間の自由度が高く、自分のペースで働ける点が大きな特徴です。また、がんばった分が収入に反映されやすく、事務職で感じやすい「評価されにくさ」に悩んでいた方にも向いています。

接客や運転に不安がある方でも、研修やサポート体制があるため、安心して始められる環境が整っています。人間関係のストレスが少ない働き方を求めている方にも向いている仕事です。

今の働き方に少しでも疑問を感じているなら、一度タクシー業界について調べてみると、新しい選択肢が見えてくるかもしれません。

   
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