タクシードライバーの面接対策
タクシードライバーとしての就職や転職を目指す上で、タクシー会社における面接は緊張しやすいポイントの1つです。このページでは、タクシードライバーとして働きたい人のために、面接対策のポイントや注意点を解説しています。
面接当日のマナーについて
服装・身だしなみを整えておく
大前提として就職活動や転職活動における面接は社会人として人と相対する場所であり、企業に対して人材としての自分の信用性や魅力などを伝えてアピールする場所です。そのような場面において、第一印象に大きく影響する服装や身だしなみをおろそかにしてしまうと、その時点で面接官や人事担当者にマイナスなイメージを与えかねません。
そもそも人は第一印象で他人を評価する生き物であり、その影響は本人が自覚していなくても大きなものです。高級なスーツや靴などを買いそろえる必要はありませんが、シャツやスーツにはきちんとアイロンをかけて、髪やひげを整えて歯みがきを行い、爪なども綺麗に切るといった配慮を大切にしてください。
時間に余裕をもって面接会場に向かう
面接時間として指定されている時刻より、あまりにも早く着きすぎることは相手の会社や業務へ迷惑をかけますが、遅刻することは厳禁です。また面接開始の時刻として時間が指定されていても、実はその前に事前の説明などが行われることもあります。そのためタクシードライバーとしての企業面接や採用面接を受ける場合は、必ず時間に余裕を持って現地へ到着しておき、せめて10~15分程度前には受付を済ませておくといったことも大切です。
また少し余裕を持って到着することで現地の様子を把握し、メンタルを落ち着かせることもできます。
タクシードライバーの面接でよく聞かれる質問
タクシードライバーを目指そうと思ったきっかけ
タクシードライバーの面接に限らず、あらゆる企業面接や採用面接で聞かれやすい質問の1つとして、どうしてその仕事や業種を選ぼうと思ったのか理由やきっかけを問われるというものがあります。
そのような際、タクシードライバーとしての仕事を選ぼうと思った理由やきっかけを素直に答えて構いませんが、注意点としてネガティブなワードを使うのでなく、タクシードライバーという仕事へ期待していることや素直な気持ちを答えると良いでしょう。
反面、今の会社や仕事に不満を抱いているからとか、今の職場に気に入らない人がいるからといったマイナスな比較は結果として自己イメージを毀損するためNGです。
この会社を選んだ理由・志望動機
タクシードライバーという業界や業種を選んだ理由だけでなく、複数ある会社の中からどうして自社を選択したのか志望動機や会社を選んだ理由についてもまず間違いなく聞かれる質問です。
求人情報にはそれぞれの会社が自社のメリットや独自の取り組みとして掲げている情報が色々と掲載されており、それらの情報の中から自分にとって良いと思えたポイントを並べることは悪くありません。また面接を受ける前に対象の会社の公式サイトやホームページなどを閲覧し、社風や取り組み、企業理念などをきちんとチェックして前向きなポイントを自分なりに言語化しておきましょう。
前職の退職理由
すでに前の会社を退社している人であれば前職を辞めた理由を聞かれたり、あるいは現在はまだ他の企業に在籍しながら転職活動を行っている人であれば転職を希望する理由を聞かれたりすることもあります。
人には様々な事情や理由があり、退職や退社の理由は決してポジティブなものだけではないでしょう。しかし、だからといって前職の悪口や以前の同僚の文句などを理由として答えることは避けましょう。
不満点や問題点などについて回答しつつも、決して個人攻撃や単なる悪口にならないよう配慮することが大切です。また前職の退職理由と就職を希望する会社の取り組みを比較して、マイナスとプラスを同時に語るといったテクニックも効果的です。
事故歴や違反歴
タクシードライバーは車を利用して乗客を安全に目的地まで運ぶプロフェッショナルであり、当然ながら日頃の運転に対する意識や経験、また事故歴や違反歴といった点についても尋ねられます。
過去に事故歴や違反歴があるからといってタクシードライバーになれないとは限りませんが、その自己の理由や頻度、違反を起こしてからどれくらいの期間が経っているのかといった点は考慮されます。また当然ながら現在も免許の停止処分を受けているといった場合は必ず正直に伝えてください。
なお、事故歴について語る場合は事故が発生した際の状況や、どのように対処したのかといったことも伝えると良いでしょう。
自身の長所・短所
自分の長所や短所を客観的に把握して、言葉にして伝えられるかどうかも重要な面接のポイントです。また自分について良い点や悪い点を意識して言語化できる能力は、自分以外の人の良い面や悪い面にも気づきやすく、コミュニケーションの能力にもつながっているものとなります。
タクシードライバーでは様々な人と日常的に接するため、他人の良い面をきちんと評価して感謝したりお礼を言ったりする習慣を身につける上でも、自己評価を客観的かつ冷静に語れることは大事です。また短所について語る際にはマイナス面を告げるだけでなく、それをどのようにカバーするのかといった取り組みも合わせて語ります。
健康状態・持病など
健康状態や持病の有無は、乗客を車に乗せて安全に運ぶというタクシードライバーの仕事において極めて重要なポイントです。
特に突発的な発作の有無や日常的に使用している薬などがある場合、そもそも長時間の車の運転には不向きというケースもあるでしょう。
体があまり強くなく、持病があったとしても、適切に管理して乗務時間の長さや時間帯をコントロールすることでタクシードライバーとして活躍できる可能性もあります。そのため嘘を吐かず、正直に健康状態や持病について不安のあることは共有しておきましょう。
「なにか質問はありますか?」などの逆質問
一通りの規定の問答が終了すると、面接官から求職者や応募者に対して「なにか質問はありますか?」という逆質問が行われます。
逆質問は求職者にとって単なる疑問の解決チャンスでなく、むしろ仕事に対する意欲や取り組みの姿勢をアピールするためのチャンスでもあります。
例えば、積極的にタクシーへ乗務するための注意点はありますか、月に最大どれくらいの時間や日数を乗務できますか、御社ならではのお客様に対する取り組みやサービスはありますか、といった業務について自分から聞いていくことで、面接官などに「意欲的な求職者だ」と好意的な印象を与えられるかもしれません。
タクシードライバーの面接で落ちるケース
慢性的な人材不足が深刻化しているタクシー業界は、そもそもタクシードライバーの面接も受かりやすいものといえます。しかし、受かりやすいからといって常に全員が合格するわけでもなく、むしろ最低限の注意点を意識していなければ不合格になることもあるでしょう。
ここではタクシードライバーの面接におけるNGポイントをまとめました。
コミュニケーション能力に不安がある
タクシードライバーは車を運転するプロであると共に、様々な乗客に対してサービスを提供する接客のプロでもあります。そのため、タクシードライバーとして適正な業務を遂行する上でコミュニケーション能力は不可欠な要素です。
面接を受ける際にも小声でやりとりしたり、きちんと面接官からの問いかけに対して応えられなかったりした場合、コミュニケーション能力に不安があるとして不合格になってしまう恐れがあります。
また言葉づかいだけでなく笑顔や表情にも注意しましょう。
事故歴・違反歴がある
事故歴や違反歴によってはタクシードライバーとして適性がないと判断されることもあります。特に重大な人身事故を引き起こしていたり、軽い違反であっても何回も繰り返していたりするような場合、そもそも安全運転に対する意識や意欲が欠如していると判断されて、面接によって不採用になる可能性はあります。
また、当然ながら事故歴や違反歴について反省しているかどうかも評価対象です。
健康状態に不安がある
持病や健康状態によっては自動車を運転するドライバーとして適さないこともあります。また運転そのものには支障がなくても、消化器などの事情でひんぱんにトイレに行かなければならないような場合、長時間の乗務が困難として不採用になるかもしれません。
加えて、使用している常備薬がある場合、それが眠気を誘発するような種類の医薬品の場合、そもそも薬を飲んだ状態で運転することができないといったケースもあります。
入れ墨・タトゥーが入っている
入れ墨やタトゥーは現代社会においてファッションという位置づけに考える人も増えていますが、やはり少なくとも日本国内においては反社会的なイメージを連想する人もおり、基本的に入れ墨・タトゥーがタクシードライバーの就職活動や転職活動でプラスに影響することはありません。
もしも入れ墨・タトゥーがある人の場合、必ずそれが見えないように服装などに配慮して面接へのぞむことが大切です。またそういった配慮ができない人の場合、入れ墨・タトゥーの有無に関係なく適性なしと判断されるかもしれません。
清潔感が感じられない
身だしなみがきちんと整えられていなかったり、無精ひげが伸びていたりといったポイントは、第一印象を悪化させて全ての印象をマイナス方向へ導きます。またそもそも面接という社会人にとって大切な場面で身だしなみや服装にも配慮できないという人は、その時点で多くの人に接するタクシードライバーとして適性がないと考えられる恐れもあります。
高級な服装や格好は必要ありませんが、身だしなみを整えて口臭や体臭にも配慮しましょう。
志望動機が明確になっていない
タクシードライバーは積極的に仕事へ取り組んで活躍すれば高収入を目指せる職業です。しかし、長時間の乗務や常に安全に配慮した運転をしなければならないなど、決して安易な気持ちで働いて楽に稼げる仕事ではありません。
志望動機や目的は、労働者としてモチベーションを維持しながら働くための要素であり、言い換えれば志望動機や目的意識が曖昧な人は仕事の仕方についても不適切な行動が懸念されます。そのため志望動機はきちんと明確化しておきましょう。
まとめ
タクシードライバーの面接だからといって、その他の企業面接や採用面接とそこまで大きな違いはありません。しかし業務上の注意点やタクシードライバーとしての適性は、タクシー業界ならではの特徴や特性によって影響されることも事実です。
そのためタクシードライバーを目指す人が面接対策について考える場合、一般的な面接のマナーやルールを守った上で、タクシードライバーという働き方を意識した受け答えを練習しておきましょう。