糖尿病でもタクシードライバーになれる?
「糖尿病があるとタクシードライバーにはなれないんじゃないか…」
そんな不安を抱えている方も、きっと少なくないはずです。
確かに、タクシー運転手はお客様の命を預かる仕事。健康状態は、採用時に重視されるポイントのひとつです。糖尿病は、血糖値の乱高下によって意識障害や体調不良を引き起こすことがあるため、慎重に見られる傾向があります。
しかし、「糖尿病だから一律にダメ」というわけではありません。血糖値が安定していて、医師から「運転に支障なし」と診断されていれば、採用される可能性は十分にあります。
なぜ糖尿病がタクシードライバーの不採用理由になりうるのか
糖尿病のある方は、治療薬や食事のタイミングによって低血糖を起こすことがあります。低血糖になると、「意識がもうろうとする」「判断力が鈍る」「視界がぼやける」といった症状が現れることがあり、運転中にこうした異変が起きた場合、重大な事故につながるおそれがあります。
また、糖尿病が進行すると、視力障害・神経障害・腎機能障害などの合併症が出ることもあります。血糖値が不安定な状態だと体力が落ちやすくなり、長時間の運転に耐えられなくなる可能性も考えられます。
さらに、タクシードライバーの勤務は昼夜交代のシフト制や長時間勤務が基本です。こうした働き方は生活リズムが乱れやすく、血糖コントロールが難しくなることもあります。
タクシー会社は公共の安全を守る責任を負っているため、健康リスクが高いと判断された場合には、採用を見送るケースもあるのです。
きちんと治療・管理している人であれば採用の可能性はあります
一方で、血糖値の状態が良好に管理されており、医師から「運転に支障なし」と診断されていれば、採用の可能性は十分にあります。
血糖値の管理状態で重視される数値のひとつが「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」です。これは過去1〜2か月間の血糖の平均的な状態を示すもので、7.0%未満が「良好にコントロールされている」とされる目安です。HbA1cが6〜7%未満であれば、採用のチャンスは十分にあると考えられます。数値が高すぎる場合は、生活習慣の見直しや治療を行い、改善を目指すことが大切です。
インスリン治療中であっても、「低血糖のリスクがほとんどない」「運転に支障がない」と医師が判断すれば、診断書の提出によって採用されるケースもあります。最近では治療薬の選択肢も増えており、勤務状況に合わせて副作用の少ない薬を選ぶことも可能です。医師としっかり相談し、自分に合った治療方針を立てましょう。
面接・健康診断でチェックされるポイント
面接時に聞かれる健康に関する質問
タクシー会社の採用面接では、健康状態についての質問が必ずと言っていいほどあります。主に確認されるのは、以下のような項目です。
- 現在の持病の有無(糖尿病、心臓病など)
- 日常的に服用している薬の種類と内容
- 睡眠や運動、生活習慣について
- 病歴や通院歴(現在治療中かどうか など)
このとき、病気のことを隠しても、後の健康診断でバレる可能性が高いです。もし虚偽の申告をしていた場合、採用が取り消されることもあるため、正直に伝えることがとても大切です。
たとえ病歴があっても、現在の健康状態が安定していることを診断書で示すことができれば、会社側の印象は大きく変わります。面接では、「日頃から食事や運動に気を配っている」「主治医と定期的に相談している」といった前向きな姿勢を伝えることで、安心感を持ってもらえるでしょう。
健康診断でチェックされるポイント
血糖値・HbA1cの数値
糖尿病に関してもっとも重視されるのが、血糖値とHbA1c(ヘモグロビンA1c)の数値です。HbA1cが7.0%未満であれば、「血糖管理が良好」と判断されやすく、8.0%を超えると「運転に支障が出るかもしれない」と見なされ、不採用の可能性が高まることもあります。
ただし、数値だけで判断されるわけではありません。主治医の診断書や、これまでの治療歴、改善に取り組む姿勢も採用判断の材料になります。
心電図・肝機能・腎機能などの基礎検査
タクシー運転手は長時間の勤務や夜勤もあるため、心臓・肝臓・腎臓の働きが正常かどうかも確認されます。
糖尿病は合併症が起こりやすい病気であるため、「糖尿病そのもの」だけでなく、それによる影響が出ていないかも、重要なチェックポイントです。
視力・深視力の検査
タクシー運転手になるには、普通自動車第二種免許(二種免許)の取得が必要です。この免許を取る際には、深視力という特殊な視力検査が行われます。深視力とは、物との距離感を正確に測る力のこと。一般的な健康診断では検査されないため、自分でも気づかないうちに苦手な場合があります。
深視力に不安がある方は、事前に眼科で検査しておくと安心です。必要に応じて矯正用メガネなどを使えば、改善できるケースもあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスク
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が、タクシー運転手の採用に影響することもあります。この病気は、就寝中に呼吸が止まることで、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こす可能性があります。
睡眠中のいびきが大きい、日中に強い眠気を感じるといった症状がある場合は、事前に検査を受けておくと安心です。
肥満やメタボリック症候群
過度な肥満も、採用に影響を与えることがあります。肥満があると糖尿病・高血圧・心臓病などのリスクが高まり、「安全に乗務できる体力があるか」が見られるためです。
とはいえ、数値が少し高いからといって、必ず不採用になるわけではありません。改善に向けた取り組みや生活習慣の見直しをしていることが伝われば、前向きに評価される可能性もあります。
採用基準は会社によって少しずつ異なる
採用時に重視される数値の基準は、会社や担当する産業医によって少しずつ異なります。
一社で不採用となっても、別の会社では問題ないと判断されることもあるため、諦めずに相談してみることが大切です。
糖尿病があっても採用の可能性を上げるには?
糖尿病があっても、きちんと健康管理ができていれば、タクシードライバーとして採用される可能性は十分にあります。ここでは、「どうすれば採用につながりやすくなるか」というポイントをご紹介します。
面接では正直に伝える+医師の診断書があると安心
まず大切なのは、持病について正直に伝えることです。面接では、健康状態について質問されるのが一般的です。糖尿病を隠して採用されたとしても、その後の健康診断で数値に異常が見つかれば、最悪の場合、採用取り消しになることもあります。
また、「現在は安定しており、運転に支障がない」ことを医師に診断書で証明してもらうことで、採用の可能性はぐっと高まります。診断書には、以下のような内容を記載してもらえると効果的です。
- 現在の治療内容(薬の種類や頻度)
- 血糖コントロールの状況(HbA1cの値など)
- 運転に支障がないと判断される理由
健康管理に取り組んでいることをアピールする
面接では、「自分がどのように健康管理に取り組んでいるか」を前向きに伝えることも重要です。たとえば、
- 食事内容に気をつけている
- 血糖値を毎日チェックしている
- 低血糖を防ぐためにスナックを常備している
- ウォーキングなどの運動を継続している
など、日々の具体的な取り組みを伝えることで、会社側に安心感を与えることができます。
就業後も健康管理が必須
無事に採用され、タクシードライバーとして働き始めたあとも、日々の健康管理は欠かせません。「良好な状態を保ち続けること」が何より大切です。
タクシー会社では年2回の健康診断が義務づけられている
多くのタクシー会社では、法律に基づき、年に2回の健康診断が義務づけられています。これは、不規則な勤務による体調の変化を早期に発見するための大切な制度です。
糖尿病をお持ちの方は、この定期健診を活用し、自分の体調をしっかり確認しましょう。異常が見つかった場合は、すぐに対処できるよう備えておくことが大切です。
運転前に血糖値をチェック
血糖値が低すぎる状態で運転を始めると、注意力や判断力が低下する可能性があります。そのため、運転前には必ず血糖値を測定し、体調が安定しているかを確認する習慣をつけましょう。
必要に応じて、ブドウ糖タブレットや飴、ジュースなどの補食を常備しておくと安心です。
食事と休憩のリズムを守る
タクシー業務は忙しいと、食事や休憩のタイミングがずれがちです。しかし、規則正しい食事の時間と内容は、血糖管理において非常に重要です。
朝食を抜かない、空腹の時間をできるだけ長くしない、血糖値が急上昇しないようなメニューを選ぶ(例:野菜から食べる)といった工夫を意識しながら、仕事中も体に負担をかけない過ごし方を心がけましょう。
自分の体調の「小さな変化」に敏感になる
「少し眠い」「なんとなく体が重い」といった体のサインを見逃さないことも大切です。
気になる症状があれば、無理をせずすぐに運転を中断し、休憩をとるようにしましょう。早めに対処する姿勢が、自分自身の安全はもちろん、乗客や周囲の人々の安全にもつながります。
まとめ
糖尿病を持っていると、「自分にはタクシードライバーの仕事は無理かもしれない…」と感じてしまう方もいるかもしれません。確かに、タクシードライバーという仕事は健康状態が重視され、血糖の急激な変動は事故のリスクにもつながります。
しかし、糖尿病だからといって、必ず不採用になるわけではありません。大切なのは、「病状が安定しているかどうか」「安全に運転できる状態を維持できているか」です。以下のようなポイントをしっかり伝えることができれば、タクシー会社も安心して採用を検討してくれるはずです。
- 血糖値やHbA1cの数値をコントロールしている
- 医師の診断書を提出し、健康状態を正しく伝えている
- 健康管理に前向きに取り組んでいる姿勢を示している
説明会や相談会を開催しているタクシー会社もあるので、不安がある場合は、まずは気軽に相談してみるのもおすすめです。
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