タクシードライバー求められる接客スキルとは

このページでは、タクシードライバーとして働く上で、顧客満足度を高めていくために欠かすことのできない接客スキルや接遇のポイントについて解説しています。利用者に満足され、リピーターになってもらえるような接客を目指していきましょう。

タクシードライバーには接客スキルも求められる

タクシードライバーは、タクシーを運転して安全かつスムーズに乗客を目的地まで運ぶ仕事ですが、同時に様々な人々を利用者として迎える仕事でもあり、必然的に多種多様な乗客に合わせられる接客スキルが重要となります。

実際問題、どれだけ運転技術が優れていたとしても、接客に問題があれば顧客満足度を高められないばかりか、利用者からのクレームにつながったりトラブルを招いたりするリスクが高まります。

そのためタクシードライバーとして健全に働く上で、接客スキルを磨くことは必要不可欠と言えるでしょう。

タクシードライバーの接客は難しい?

タクシードライバーは様々な人々を乗客として迎えるため、接客スキルや接遇マニュアルについても常に丁寧かつ柔軟な対応が求められます。そのため一般的な接客業と比較して、タクシードライバーは接客業務の難易度が比較的高いと考えられます。

客層の幅が広い

タクシードライバーの接客業務の難易度を高める要因の1つが、客層が幅広く、どのような人が利用者として現れるのか実際にタクシーへ乗せる時まで分からないという点です。

例えば観光地の場合、日本人だけでなく色々な国籍の人が利用者として想定され、場合によっては日本語によるコミュニケーションが難しい場合も少なくありません。また時間帯によっては泥酔状態の人を乗せなければならず、そもそも日本人であってもコミュニケーションが簡単とは言い切れません。

もちろん、人によっては体調不良だったり機嫌が悪かったりといった可能性もあり、言葉づかいや単語1つでトラブルになるリスクもあります。

臨機応変な対応が求められる

タクシードライバーとして乗務する場合、実際の交通状況や天候に合わせて走行しなければなりません。そのため普段走っているルートであっても、突然の事故や工事などによって状況が変わってしまう可能性はあります。

加えて、例えば乗客が急に体調不良を訴えたり、目的地へ向かって走行中にいきなり行き先を変更してきたりといったこともあるでしょう。

タクシードライバーでは常に様々なケースを想定しつつ、その都度状況に合わせた対応が求められます。

顔を見ながら接客できない

人と人が会話する際、互いに目を見て話をするという態度が対話やコミュニケーションの基本だと考える人もいます。しかし当然ながらタクシードライバーは安全のために進行方向や周囲の状況を見ながら運転しなければならず、基本的に車中の会話などは乗客の顔や目を見て行うことができません。

そのため、タクシードライバーは現在話している乗客の表情や様子をリアルタイムで把握することが困難なことも多く、背中越しに対話する難しさに慣れることが必要となります。

タクシードライバーに求められる接客力

笑顔で接する

タクシードライバーに限らず、あらゆる接客業において「笑顔で接する」ということは基本中の基本です。

もちろん、単に笑顔を貼り付けていれば良いわけでなく、利用者の様子や状況に合わせて神妙な表情で対応することも必要です。しかし基本的には笑顔で利用者を迎え、また利用者を送り出す際にも笑顔で接することを意識しなければなりません。

また、利用者の態度に反感を覚えたような場合も、それを表情に出すことなく笑顔で対応できるようにトレーニングしましょう。

細やかな気遣いを心がける

タクシーを利用する人はそれぞれ事情や理由を抱えています。そして中には重大な理由で急いでいたり、体調不良などで辛さを抱えていたりすることもあります。また人と対話することが苦手だったり、誰とも話したくないと思っていたりする可能性もあるでしょう。

タクシードライバーとして誠実な接客を心がけようと思えば、画一的なマニュアル対応をするのでなく、あくまでも利用者ごとに状況を見極めて、細部まで思いやりを持って接することが大切です。

無理に話しかけない

利用者から話しかけられているのに無視したり、無愛想な態度を取ったりすることは厳禁です。しかし、特に話しかけられているわけでもないのに、ドライバーの方から過剰に話しかけることも、利用者にとってはストレスとなります。

気持ち良くタクシーに乗ってもらおうと考えれば、タクシードライバーから一方的に話しかけるのでなく、あくまでもドライバーは聞き役に徹して応対するという意識が重要です。

また、行き先などを確認するような場合も、相手の言葉を聞き逃さないよう集中することが欠かせません。

敬意を払う

タクシードライバーとして勤務していると、自分より明らかに年齢が下の人や、いっそ子供だけでタクシーに乗ってくるというケースも日常茶飯事です。また、普段あまりタクシーを利用せず、上手に目的地の指示などができないという人もいるでしょう。

しかし、相手の年齢や話し方などに関係なく、タクシードライバーにとって利用者は全て「お客様」です。

そのため相手を見下したり軽んじたりするのでなく、どのような人に対しても敬意を持って接することが肝要です。

観光スポットやおすすめの店を答えられるようにしておく

タクシーを利用する人の中には、お店を探していたり観光スポットを探していたりという人もいます。また観光案内では掲載されていないような穴場の店や、地元の人がおすすめするご当地スポットなどをタクシードライバーへ尋ねたいという人もいるでしょう。

現代はスマートフォンが普及し、誰でも気軽に観光情報やお店の情報を検索できる時代ですが、必ずしも全員がスマホを利用して目的地を探せるとは限りません。そのためタクシードライバーは自分が日常的に乗務するエリアについて、普段から意識的に情報を集める姿勢が大切です。

丁寧な運転を心がける

タクシー利用者の中には「急いでくれ」と頼んでくる人もいますが、だからといって「乱暴な運転をしても良い」と考える人はまずいません。

タクシードライバーは車両を安全に運転し、利用者が安心して目的地へ迎えるように導くプロの職業人です。そのため、交通法規を厳守することは当然として、加速のタイミングやブレーキの踏み方など細かな部分にも配慮した安心安全な運転を心がけるようにします。

また、安全運転を意識することで周囲の車両との事故やトラブルのリスク回避にもつながります。

身なりや車内環境にも気を使う

タクシードライバーの接客を考えた際、自身の身なりや車内の環境について配慮することも必要です。

タクシー会社では制服を用意していることが多いですが、例えばドライバー自身の臭いが強かったり、車内にゴミが散乱していたりすれば、乗客は不快感を抱いてしまいます。

口臭や体臭は個々の体質として個人差もあるものですが、原則として自身を含めて利用者に接する部分は常に清潔で整理整頓されている状態を心がけてください。

接客に自信がない人はタクシードライバーに向いていない?

タクシードライバーとして働く上で接客スキルはとても重要なポイントですが、現時点で自身の接客スキルに自信がなくとも、改めて接遇対応の研修を受けるなどして接客スキルを高めていくことは可能です。

タクシー会社の中には未経験者や接客の苦手な人を対象として、接客・接遇の研修に力を入れているところも多く、接客に自信がない人でもきちんと勉強していくことはできます。むしろ自分の接客スキルを過信して適切な接遇マニュアルを覚えない人よりも、自信がないからこそ誠実に学んで接客意識を高めていく人の方が、結果的にはタクシードライバーの適性が高いと言えるでしょう。

まとめ

タクシーには様々な人が利用者として乗ってきます。また同じ利用者であっても、状況によっては対応を変えることも必要です。そのため、タクシードライバーはどのような人に対しても、適切なコミュニケーションを取れるよう相手を観察し、安心安全な運転を維持するための接客スキルと精神的な余裕が必要となります。

改めて自身の接客スキルを振り返り、様々なケースに対応できるよう、タクシードライバーとして普段から意識を高めていくようにしてください。

   
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