タクシードライバーは家族を養っていける?

日本全国の平均収入とタクシー業界の平均収入を比較すると、タクシー業界のほうがやや少ないことは事実です。そのため、タクシードライバーとしての収入で家族を養っていけるのか不安になることもあるでしょう。

タクシードライバーの収入で家族を養える?

結論として、タクシードライバーの収入で家族を養い、その暮らしを守っていくことは可能です。

とはいえ、世の中にはさまざまなライフスタイルの家庭があり、ライフステージによって家族の暮らし方や生活にかかる費用も変わります。そのため、タクシードライバーとして家族を支えていくには、働き方や収入を増やすポイントをトータルで考えることが大切です。

他の仕事と比較してタクシードライバーの年収は低い?

タクシードライバーとして家族を養っていけるのかと不安を抱く理由の1つに、「タクシードライバーの給料は安い」という話があるかもしれません。

実際、一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会が令和6年5月にまとめた「タクシー運転者賃金・労働時間の現況(令和5年 賃金構造基本統計調査)」によれば、令和5年度における全国のタクシードライバーの平均収入推計額「418万9,900円」と、全産業分野における平均収入推計額「506万9,400円」を比較した場合、タクシードライバーのほうが低収入だと言えます。

そのため、ただ単に数字を比較すれば、タクシードライバーの年収は全国平均よりも少ないと考えられますが、それがそのまま家族を養っていけない理由にはなりません。

参照元:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会(令和6年5月)「タクシー運転者賃金・労働時間の現況(令和5年 賃金構造基本統計調査)」【PDF】(http://www.taxi-japan.or.jp/pdf/toukei_chousa/tinginR5.pdf)

平均収入が低い理由は賞与の差?

上記の調査結果によれば、タクシードライバーの令和5年6月の平均給与「33万8,500円」に対して、全国平均は「34万6,700円」となっており、そこまで大きな差はありません。ただし、年間賞与の平均(令和4年)を見るとタクシードライバーは「12万7,900円」で、全国平均は「90万9,000円」となっており、収入差は賞与差にあると分かります。

タクシードライバーの月給は全国の平均生活費を上回る

総務省が行った2023年(令和5年)「家計調査」によれば、2人以上の勤労者世帯における消費支出の平均は1ヶ月あたり「31万8,800円」となっており、最も物価の高い関東圏でも「33万8,500円」で、これは令和5年6月のタクシードライバーの平均給与と同等です。そしてもちろん、タクシードライバーの収入もまた東京など都市部になるほど上昇します。

つまり、収入の全国平均で比較すればタクシードライバーはやや低いと言えますが、平均生活費と比較して考えれば、タクシードライバーの収入は自分や家族の暮らしを守れるレベルだと考えられます。

参照元:公益財団法人生命保険文化センター|月々の生活費は平均していくらくらい?(https://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/941.html)

参照元:統計局「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」【PDF】(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2023.pdf)

タクシードライバーの収入を高めるには?

タクシーに対するニーズは人口規模に比例しており、タクシードライバーは収入面で地域差が発生しやすく、時間帯や営業スタイルによっても売上が変わりやすい仕事です。また定年後にタクシードライバーとして再就職し、体調面や老齢厚生年金との兼ね合いを考慮しながら働くペースを抑えている人も少なくありません。

そのため、タクシードライバーとして収入増を狙いやすいエリアや働き方を考え、自分なりに正しく努力することで、全国平均よりも高収入を得るチャンスは十分にあります。

タクシードライバーへの転職を家族に反対されたらどうする?

タクシードライバーへの転職を家族に反対されたという人は少なくないようです。

反対理由としては、職業イメージがあまり良くなかったり、交通事故のリスクがあったりすることが挙げられます。また、接客業ならではのストレスや給与面に対するネガティブな印象があることも無視できません。

家族からタクシードライバーとしての転職に反対されたとしても、それは大切な家族としてあなたのことを心配しており、生活や将来についても真剣に考えているからこそです。

どうやって家族を説得したらいい?

自分の身を案じて反対してくれている家族に、タクシードライバーへの転職を認めてもらうには、家族へ誠実に向き合ってきちんと話し合うことが大切です。またタクシー会社の説明会へ一緒に参加して、具体的な数字や企業としての取り組みなどを聞くことで、改めて理解を深められることもあります。

特に大手のタクシー会社であれば、給与保証や福利厚生がしっかりしていて、教育研修や業務サポートなどで未経験者でも働きやすい環境が整えられています。経営基盤が安定していることで将来的にも信頼感を得やすいといったメリットを感じられるかもしれません。

まとめ

家族を大切に想っている人にとって、タクシードライバーの収入や仕事で家族を養い、暮らしを守れるのか不安を抱くことは当然です。同時に、家族にとっても大切な人だからこそ心配したり反対したりすることもあります。

家族として互いに尊重し、支え合って暮らしていくためにも、タクシードライバーについて正しい知識や理解を得ながら一緒に話し合う時間を重ねていきましょう。

   
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