タクシードライバーはちゃんと休める?休憩事情を解説

タクシードライバーは長時間運転している印象が強く、「きちんと休憩は取れているのだろうか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。隔日勤務のように一度の勤務が長い働き方だと知ると、ほとんど休めないのではと心配になることもあるかもしれません。

しかし実際には、タクシードライバーの休憩は法律で定められています。長時間の運転を安全に続けるため、休憩はあらかじめ勤務の中に組み込まれているのが基本です。

この記事ではタクシードライバーの休憩時間や休憩場所、休憩中の過ごし方について紹介します。

タクシードライバーの休憩時間は法律で決められている!

タクシードライバーの休憩は、会社の判断に任されているものではありません。基本となるのは、すべての労働者に適用される「労働基準法」です。

労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を取ることが定められています。タクシードライバーも例外ではなく、この基準が適用されます。

また、クシー業界には「改善基準告示」と呼ばれるルールがあります。これは、長時間の運転業務による負担を考慮し、ドライバーの健康と安全を守るために設けられている基準です。

具体的には、多くのタクシー会社で採用されている隔日勤務では、1回の勤務時間が長くなるため、合計3時間の休憩を確保することが求められています。また、勤務終了後には20時間以上の連続した休息時間を取ることも定められています。

【勤務形態別】休憩時間の目安

タクシードライバーの休憩時間は法律で定められていますが、実際の取り方は勤務形態によって少しずつ異なります。ここでは、代表的な働き方ごとに休憩の目安を紹介します。

隔日勤務の場合

隔日勤務は、1回の勤務で長時間働き、その翌日は明け休みになる働き方です。朝に出庫し、深夜や翌未明まで乗務するスタイルが一般的です。

この場合、合計で3時間以上の休憩を確保することが求められています。一度にまとめて取るというよりも、勤務の中で複数回に分けて休憩を挟むケースが多いです。

長時間勤務と聞くと負担が大きそうに感じますが、その分、明け休みでしっかり体を休めることができます。

昼日勤の場合

昼日勤は、朝から夕方にかけて勤務するスタイルです。勤務時間は7時〜16時前後が一般的で、会社によって多少の違いがあります。休憩時間は基本的に1時間です。

昼のピークを避けて少し時間をずらして休憩を取るドライバーもいれば、あえて混雑する時間帯を休憩に充てる方もいます。

夜日勤の場合

夜日勤は、夕方から翌未明まで勤務するスタイルです。17時頃から翌3時前後まで働くケースが多く、深夜帯の利用客が主なターゲットになります。

休憩時間は昼日勤と同様に1時間が基本です。ただし、夜間は時間帯によって需要の波が大きいため、終電前後の忙しい時間を避けて休憩を取るなど、タイミングを意識することが重要になります。

タクシードライバーはどこで休憩している?

車内

もっとも多いのは、タクシーの車内で休憩を取るスタイルです。交通の妨げにならない場所や、駐車禁止ではないスペースに車を停め、食事や短時間の仮眠を取ります。

外から見ると「待機している」ように見えることもありますが、実際には法定休憩を取っている時間であることも少なくありません。

駅前やタクシープール

駅前のロータリーやタクシープールで待機しながら、短時間の休憩を取ることもあります。ただし、客待ちの時間は原則として労働時間にあたるため、「完全な休憩」とは区別されます。

公園や安全な駐車スペース

エリアによっては、公園の駐車場や交通量の少ない場所を休憩スポットとして活用するドライバーもいます。静かな環境であれば、短時間でも体を休めやすくなります。

ただし、地域ごとのルールやマナーを守ることが前提です。周囲に配慮しながら、安全に停車できる場所を選びましょう。

営業所の休憩室・仮眠室

営業所に戻って休憩を取るケースもあります。会社によっては、休憩室や仮眠室、シャワー室などが整備されていることもあり、隔日勤務の際には特に重宝されています。

横になって休める環境があると疲労の回復度合いも変わってきます。転職を検討している場合は、こうした設備の有無も確認しておくと安心です。

休憩中は何をしている?リアルな過ごし方

食事を取る

もっとも一般的なのは食事です。コンビニや飲食店を利用するほか、車内で軽食を取るケースもあります。

タクシー乗務は決まった昼休みの時間があるわけではないため、自分の体調や営業の流れに合わせて食事のタイミングを決められるのが特徴です。混雑する時間帯を避けて食事を取るなど売上とのバランスを考えるドライバーも多く見られます。

仮眠を取る

長時間運転する仕事において、仮眠はとても重要です。特に夜日勤や隔日勤務では30分〜1時間ほどの仮眠を挟むことで集中力が大きく変わります。

隔日勤務の場合は、合計3時間の休憩の中である程度まとまった仮眠を取ることもあります。横になれる環境があれば理想的ですが、車内でも姿勢を工夫しながら休んでいるドライバーが多いようです。

情報交換やリフレッシュ

営業所に戻った際には同僚と情報交換をすることもあります。どのエリアで需要が高まっているか、イベント情報や交通状況などを共有することで、その後の営業に活かします。

また、長時間同じ姿勢でいると腰痛や疲労の原因になります。休憩を取るタイミングで車外に出て背伸びをしたり、軽くストレッチをしたり、体を動かすようにすると良いでしょう。

売上と健康を両立する「効率的な休憩術」

稼ぎ時を意識してタイミングを決める

タクシー営業には時間帯ごとの“波”があります。通勤時間帯、終電前後、イベント開催時など人の動きが活発になる時間は比較的需要が高まります。

こうした時間帯はがっつり働き、落ち着いた時間に休憩を取ることで、営業効率を下げずに体を休めることができます。また、毎日同じ時間に休むのではなく、その日の天候や街の状況に合わせて柔軟に調整するのもよいでしょう。

短時間でも“完全に休む”

効率を重視するあまり、休憩中も客待ちを続けてしまうと気持ちが休まりません。短時間であっても営業からいったん離れ「しっかり休む」ことが重要です。エンジンを切り、無線から少し距離を置くだけでも、頭の疲れは和らぎます。オンとオフを切り替えることでその後の集中力も保ちやすくなります。

仮眠の質を高める

特に隔日勤務や夜勤では、仮眠の取り方がその日の後半に大きく影響します。ただ長く休むのではなく、静かな場所を選ぶ、体を締めつけない姿勢をとるなど、少しの工夫で回復度合いは変わります。

また、営業所に仮眠室がある場合は積極的に活用するのもおすすめです。

休憩スポットをあらかじめ把握しておく

効率よく休むためには、「どこで休めるか」を事前に知っておくことも大切です。安全に停車できる場所や、落ち着いて食事ができる店などを把握しておくと無駄な移動が減り、時間を有効に使えます。

まとめ

タクシードライバーの休憩時間は、法律に基づいて確保されています。昼日勤や夜日勤では1時間、隔日勤務では合計3時間以上の休憩が必要です。

休憩の取り方ひとつで、その日の集中力や営業効率が変わることもあります。稼ぎ時を意識しながら無理のないタイミングで休むことが、結果として安定した収入にもつながっていきます。

   
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