タクシードライバーの眠気対策

タクシードライバーにとって、眠気との戦いは避けられない課題です。特に長時間の乗務では、突然の睡魔に襲われることも。このページでは、タクシードライバーが知っておきたい効果的な眠気対策と、居眠り運転のリスクについて詳しく解説します。

眠気を効果的に覚ます方法

眠気対策の効果は人によって大きく違います。基本的には、十分な睡眠をとるなど、日常生活での健康管理が何より大切です。とはいえ、予期せぬ眠気を感じることもあるため、自分に合った対策方法をいくつか見つけておくと安心です。

カフェインを摂取する

最も一般的な眠気対策は、カフェインの摂取です。コーヒーやお茶に含まれるカフェインには、眠気を抑える働きがあります。ただし、効き目には個人差があり、また取りすぎは禁物です。

また、カフェインには尿が出やすくなる作用もあるため、飲み過ぎるとトイレ休憩が増えて営業効率が下がってしまう可能性も。その点、ドラッグストアで売っているカフェインの錠剤を適量使うのも一つの方法です。ただし、必ず決められた量を守り、体調が悪くなったら使用は控えましょう。

窓を開けて風を感じる

運転中に眠気を感じたら、まずは窓を開けて外気を取り入れてみましょう。特に暖房を使う冬場は、車内が温かくなり過ぎて眠くなりがちです。冷たい風を顔に当てることで、意識がすっきりすることも多いようです。

車を停めて屈伸運動などをする

長時間同じ姿勢で運転していると、血行が悪くなって眠気を感じやすくなってきます。安全に駐停車できる場所が見つかったら、車から降りて簡単な運動をしてみましょう。屈伸運動や、その場で足踏みをするなど、体を動かして血流を良くすることで、眠気解消が期待できます。

ガムを噛んであごを動かす

駐車場がすぐに見つからない時は、ガムを噛むのも効果的です。顎を動かすことで、首回りや頭部の血行が良くなります。特にミント味のガムなら、さわやかな刺激で頭もすっきりしやすいでしょう。

清涼感のある洗顔シートで顔を拭く

メントールの入った洗顔シートで顔を拭くと、すっきりした気分になれます。メントールの香りには、目が覚める効果とリラックス効果の両方があるとされているので、気分転換にもぴったり。

なお、洗顔シートを使わなくても、コンビニや道の駅などで顔を洗うだけでも、それなりの効果が期待できます。ただし、アルコールやメントールが肌に合わない人は、使用を控えめにした方が無難です。

目薬を差す

長時間の運転で目が疲れてくると、眠気や疲労を感じやすくなってきます。そんな時は目薬を差すのも一つの方法。目薬の刺激で眠気が軽減されるだけでなく、目の疲れも和らぐため、安全運転の維持にも役立ちます。

目元を冷やす

冷たいアイマスク(アイスアイマスク)で目元を冷やすと、目の周りの筋肉がリフレッシュされて眠気が和らぐことも。市販のシート状のアイマスクなら、ダッシュボードやカバンに入れておくのも便利です。

眠気対策に効くとされるツボを刺激する

昔から知られている眠気対策として、ツボ押しがあります。例えば、目頭のやや内側、鼻の骨の上にある「睛明(せいめい)」というツボは、眠気解消に効果があるとされています。眠くなった時に、思わずここを押さえた経験がある人も多いのではないでしょうか。

また、中指の爪の生え際、人差し指側にある「中衝(ちゅうしょう)」も、眠気覚ましのツボとして知られています。

明るい場所にいく、光を浴びる

明るい場所より暗い場所の方が眠くなりやすいように、光は眠気に大きく関係しています。そのため、眠気を感じたら明るいものを見たり、まぶたを閉じた上から光を当てたりするのも効果的です。

昼間なら、少し車を停めて太陽の光を浴びたり、遠くの景色を眺めたりするのもおすすめ。視界が広がることで、頭もすっきりしてきます。

音楽を聴きながら歌を歌う

音楽を聴いたり、声を出して歌を歌ったりするのも、眠気覚ましの定番です。音楽や自分の歌声で聴覚が刺激されるうえ、大きく口を開けて歌うことで顔や首の筋肉も動かせます。好きな曲なら気分転換にもなって、一石二鳥です。

短時間だけ眠る

どうしても眠気が取れない時は、無理をせずに短い仮眠を取るのも手です。ただし、必ず安全な場所に駐車してから休むようにしましょう。道交法違反や事故のリスクを避けるためにも、これは絶対に守りたいポイントです。

なお、仮眠の前にコーヒーを飲んでおく「コーヒーナップ」も効果的な方法として知られています。

もし居眠り運転をしてしまったらどんな罰則を受ける?

居眠り運転は「安全運転義務違反」や「過労運転」として、道交法でも明確に禁止されています。罰則も決して軽くはありません。

安全運転義務違反の場合、違反点数2点、反則金9千円が科せられます。さらに、居眠りの状況や労働状況によって過労運転と判断されると、違反点数25点、3年以下の懲役または50万円以下の罰金という重い処罰を受ける可能性もあります。

まとめ

タクシードライバーは一度の乗務で長時間運転することも多く、その日の状況や体調によって眠気を感じることもあります。

基本は、十分な睡眠を取るなど、眠気を感じないような生活習慣づくりが大切です。でも、急な眠気に襲われることもあるので、自分に合った対策方法をいくつか持っておくと安心です。

安全運転のためにも、眠気を感じたらすぐに対策を取れるよう、普段から準備をしておきましょう。それがプロのドライバーとしての心構えにもつながります。

   
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