タクシーの車両整備はドライバーが行うの?
タクシーはお客様を乗せて運行する業務車両のため、安全に走行できるよう適切な点検や整備が必要です。では、タクシーの車両整備はドライバーが行うのでしょうか。ここでは、タクシードライバーが担当する日常点検や清掃、整備士が担当する定期点検・修理について解説します。
タクシードライバーが担当する車両整備の範囲
タクシーの車両整備は、すべてをドライバーが担当するわけではありません。日常点検や洗車、車内清掃などはドライバーが担当し、定期点検や専門的な整備・修理は整備士が担当するのが基本です。
ドライバーが担当する作業には、車内の掃除や洗車といった清掃作業に加え、出庫前に行う日常点検や、帰庫後の車両チェックなどがあります。一方、車両の安全性や機能に関わる専門的な整備については、整備士や整備工場が対応します。
日常点検はドライバーの仕事
タクシードライバーが行う日常点検は、車両を分解したり部品を修理したりするものではありません。運行前に車両の状態を確認し、安全に走行できる状態かをチェックすることが主な役割です。
具体的には、車両全体を目視して異常がないか確認するほか、タイヤやライト類、ワイパーなどの状態や動作をチェックします。また、車両を清潔に保つための洗車や車内清掃もドライバーの仕事です。
日常点検で確認した内容は、「点検簿」や「日常点検表」などに記録するのが一般的です。国土交通省では、事業用自動車について運行開始前の日常点検を行うことが定められています。
定期点検や修理は整備士に任せる
タクシーのような事業用自動車は、定期的な点検整備が必要です。事業用自動車の定期点検整備は3か月ごとに実施することが定められています。
定期点検や車両の安全・機能に関わる専門的な整備は、タクシー会社の整備士や委託先の整備工場などが担当します。たとえば、ブレーキパッドやタイヤの交換、電装系のトラブルへの対応など、専門的な知識や技術が必要な作業が該当します。
出庫前の日常点検で見るポイント
タクシードライバーとして乗務する前には、日常点検として車両の状態を確認します。チェックする項目は点検簿などにまとめられているため、決められた項目を一つずつ確認することで、点検漏れを防げます。
点検内容はタクシー会社や車種によって多少異なりますが、目視による車両全体の確認や、ウインカー、ワイパーなどの動作確認が基本です。異常を発見した場合はそのまま運行せず、会社の担当者や整備士に報告して対応してもらいます。
また、車両の汚れや車内のゴミも確認しておきましょう。タクシーはお客様を乗せる仕事だからこそ、安全面だけでなく、清潔さにも気を配る必要があります。
チェックする主な項目
タクシードライバーが日常点検で確認する項目には、主に以下のようなものがあります。
- エンジンオイル・冷却水などの液量
ボンネットを開け、エンジンオイルのレベルゲージや冷却水のタンクなどを確認します。それぞれの基準線まで液量があるかを目視で確認し、不足している場合や異常を見つけた場合は、会社の担当者や整備士に報告しましょう。 - タイヤの空気圧・溝の状態
タイヤの状態確認も重要な点検項目です。空気圧が適正か、タイヤの溝が十分に残っているか、釘やガラス片などの異物が刺さっていないかを確認します。営業所で空気圧を確認・調整できる場合は、必要に応じてエアゲージなどを使用して確認します。 - ライト類・ワイパー・ホーンの動作確認
乗務前には、ヘッドライトやブレーキランプ、ウインカーなどのライト類に加え、ワイパーやホーンが正常に作動するかも確認します。球切れや動作不良などの異常があれば、そのまま運行せず、速やかに整備士や担当者へ報告して対応してもらいましょう。
洗車と車内清掃もドライバーの仕事
タクシーはさまざまなお客様を乗せて走行するため、常に清潔な状態を保つことが大切です。出庫前や帰庫後の洗車だけでなく、車内の清掃や汚れのチェックもドライバーの仕事です。
乗務中も車内の状態をこまめに確認し、ゴミや汚れがあれば清掃します。車内を確認することで、お客様の忘れ物や落とし物にも気付きやすくなります。
タクシーの清潔感は、お客様に気持ちよく利用してもらうために欠かせません。快適な車内環境を保つことは、サービス品質の向上にもつながります。
洗車のタイミングと頻度
洗車のタイミングや方法は営業所によって異なります。洗車機を設置している営業所では、出社前や帰庫後など、決められたタイミングで洗車を行います。
雨天時の乗務や走行中の泥はねなどで車両が汚れた場合は、必要に応じて洗車を行うこともあります。
洗車機を使用する場合でも、細かな部分まで汚れを落とせないことがあります。そのため、タクシー会社によっては、洗車機だけでなくドライバーによる手洗いを行う場合もあります。
車内清掃で意識したいポイント
車内清掃では、シートや足元を確認し、ゴミや汚れ、忘れ物がないかをチェックします。また、見た目だけでなく車内の「臭い」も確認しておきたいポイントです。
タバコや食品、香水などの強い臭いは、車内にいる時間が長いと気付きにくくなります。臭いを確認するときは、一度車外に出てから改めて車内を確認すると、状態を把握しやすくなります。
清掃に必要な雑巾や掃除機、消臭用品などは、営業所で用意されていることが一般的です。会社で決められた清掃方法やルールがある場合は、それに従って対応しましょう。
故障やトラブルが起きたときのドライバーの対応
タクシーの乗務中には、タイヤのパンクや車両の故障など、思いがけないトラブルが起こることもあります。その場合は、無理に自分で修理しようとせず、まず営業所へ連絡して状況を報告することが基本です。
お客様を乗せている場合は、安全を確保したうえで状況を説明し、会社の指示を受けながら代替車両などの手配を進めます。ドライバー自身で対応できない故障については、整備士など専門の担当者に任せましょう。
走行中に異常を感じたら
走行中に警告灯が点灯した場合は、表示内容を確認し、安全に停車できる場所へ速やかに移動します。また、警告灯が点灯していなくても、異音や異臭、異常な振動などを感じた場合は、車両にトラブルが発生している可能性があります。
異常を感じたまま運行を続けるのではなく、安全を確保して営業所へ連絡し、指示を受けましょう。
お客様が乗車中の場合は、不安を与えないよう落ち着いて状況を説明し、安全を最優先に対応することが大切です。必要に応じて会社側で代替車両などを手配します。
帰庫時の申し送りをしっかりと
大きな故障やトラブルがなくても、日常の運転中に「いつもと違う」と感じることがあります。そのような場合は、気になった点を点検簿や点検表などに記録し、整備士や担当者へ申し送りましょう。
日常の小さな変化を見逃さず、きちんと共有することが、車両の安全管理につながります。ドライバーが気付いたことを整備担当者へ伝えることで、早めの点検や整備にもつなげられます。
まとめ
タクシーの車両整備は、ドライバーと整備士が役割を分担して行います。ドライバーは日常点検や洗車、車内清掃などを担当し、定期点検や専門的な整備・修理は整備士などが担当するのが基本です。
ドライバーにとって、日々の点検や清掃は単なるルーティンではありません。車両の異常を早期に発見し、お客様に安全で快適なサービスを提供するために欠かせない業務です。万が一トラブルが起きた場合も、無理に自分で修理せず、営業所へ報告して適切に対応しましょう。
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